症状別ブログ

足裏のカカトの痛み:足底腱膜症

こんな症状に困ってはいませんか?
  • かかとの下側が痛い
  • 起床直後や長時間の安静の後の体重を掛けた時や動き始めが痛い
  • 座っていたり、立ち止まっている時からの動き出しが痛い
  • しばらく歩いていると一時的に症状がまし(楽)になる
  • しかし、歩行が長くなったり、走ると痛む
  • 静止時や体重がかかっていない時は痛くない

そんなあなたは足底腱膜(筋膜)症や踵骨棘症候群という病気になっているかもしれません。

足底腱膜(筋膜)症・踵骨棘症候群とは

足底腱膜(筋膜)とは、足裏のカカトから足指のつけ根をつなぐ結合組織と呼ばれる膜状のものです。それは、土踏まずを含む足裏を支えています。マラソンやハイキング、長時間の立ち仕事などによって、繰り返し負荷をかけたために発症すると考えられています。慢性的に炎症が繰り返されると、カカトに棘のような突起ができてしい、そのせいで痛みも悪化することもあります(踵骨棘症候群)。

足底腱膜症は身体にどんな影響

まず悩みの発端の多くは「痛み」だと思います。足底腱膜に沿ってどこでも痛くなることがありますが、足底腱膜がカカトの骨の下側に付着するところで最もよく発症します。

この病気の痛みの度合いは、骨棘のあるなしと必ずしも比例するわけではありません。骨棘があっても無痛の方もいらっしゃる一方、レントゲンで骨棘が認められない場合でも痛みが強く日常生活に支障をきたすものがあります。

足底腱膜症は以下のような特徴があります。

・特に朝起きて最初に足に体重をかけたときが痛い
・5~10分くらいで一時的に解消する
・歩行時や走行時の足を蹴り出すときに痛みが強くなる
・つま先の方に向かって痛みが広がることもある
・土踏まずのふちに沿って、焼けるような痛みや刺すような痛みを感じることもある

いずれにせよ、この足の痛みをかばった歩き方や身体の使い方を続けていると、悪影響が全身に及んでしまうこともあります。そうなる前に、できるだけ早期改善することが望ましいのです。

また、「痛みなし=問題なし」ではありません。普段生活している時は痛みがないからと放っておいて良いわけではありません。足底腱膜が付着しているカカトの骨の下側を押してみて痛い人(痛気持ちいい場合も含む)は、足底腱膜症予備軍になっていることも・・・。

カカトの下側に違和感が出始めているということは、おそらく足底腱膜症の黒幕(原因)が現れていると考えてもおかしくありません(後ほど解説)。痛みはその二次災害なのです。

その場合、足の靭帯が弱くなっており、骨組みをしっかり束ねられておらず、足の中はとてもグラグラしている状態です。

ラグビーで例えると、スクラムをガッチリ組めていない状態で、ちょっと相手に押し込まれただけで崩れてしまうようなものです。

骨のまとまりが悪いので力も上手く入りません。そのため、足でしっかり踏ん張れなかったり、ふらついたりもします。つまずくことも多くなったりします。

筋肉も働きにくいため循環が悪くなって、浮腫や疲労が取れなくなります。

上体(足首から上)に無理がかかって、足首や膝、股関節もを傷めてしまうこともあります。

また、不安定な中なんとかバランスを保とうとするあまり、姿勢も偏ってしまって、反り腰、猫背や側弯、ストレートネックなど姿勢不良にもなることもあります。

上に挙げたような症状や姿勢の問題は、足底腱膜症とは関係なさそうに見えますが、驚くことに、足底腱膜症を根本原因から改善させられると、同時にこれら足以外の問題も改善されることも多いのです。

足底筋膜炎の原因

ちまたでは、ランナーに多いことから過度な運動やスポーツのせいだとか、体重オーバーのせいだと思われがちです。中高年に多いことから、年齢や筋力低下のせいだとも言われています。

しかし、ランナーやオーバーウエイトの人全員に発症するわけではありません。それらはあくまでも「こういう人は足底腱膜症に陥りやすいので注意しましょう」というものを示しているのです。

足病専門医療の先進国アメリカでは、過剰回内(オーバープロネーション)が足の万病のもと認知されており、足底腱膜症・踵骨棘症候群も例外ではなく、そのせいで引き起こされているというのが常識になっています。

つまり、ジョギングやオーバーウエイトはともかく、普段からの足の使い方や歩き方の善し悪しが、足底腱膜症になるかどうかの決め手になっていると言っています。

過剰回内(オーバープロネーション)とは

その過剰回内とはどう言った状態のことかというと、下の図の左のように踵の骨が曲がり内くるぶしや足のアーチが地面の方(内側)に倒れている状態です。

ご自分の足を観てもよく分からなければ、膝の位置を目安に確認してみましょう。

膝頭がつま先より内側を向いていませんか?

鏡の前で観察してください。

回内状態は歩行時のショックアブソーバー(衝撃吸収機能)として大切なのです。

しかし、ズーッと回内になっていたり、極端な回内になっていたりする人がいらっしゃいます。

もともと偏平足であったり、母趾が示趾(人差指)より長かったりと、過剰回内になりやすい先天的な要因を持っている人もいますが、それよりも普段の間違った足の使い方や歩き方のほうが悪影響を及ぼしていることが多いのです。

足底筋膜炎の改善方法

皆さんがいままで安静をとったり、テーピング、装具(サポーター、プロテクター)、マッサージや足の体操をしても効果がなかった理由は、もうお分かりですよね。

それらは変形の矯正や除圧など保護をする対処療法であって、過剰回内そのものを改善させるものではなかったからなのです。

一時的に症状が緩和されたりしても、日常的な身体の使い方が変わったわけでないので、生活しているうちに悪い状態に戻ってしまいます。

そうなのです。「歩き方の改善」こそ足底筋膜炎や踵骨棘の根本療法にもなるわけです。

そこで、「そうか歩き方か!」と思って、

「足指を意識して歩こう!」

「足で地面をしっかり蹴って歩こう!」

「身体を捻りながら歩幅を大きく歩こう!」

「脚や膝をしっかり伸ばして颯爽と歩こう!」

などとお考えになるかも知れません。

ところが、一般的に善しとされるこのような歩き方は、かえって足底腱膜症を悪化させるため自己流で取り組むととても危険です。

私たちは、生体構造力学(バイオメカニクス)という信頼のおける研究から編み出された「ゆるかかと歩き(ネイティブウォーキング)」という歩行指導と整体施術を組み合わせた「ネイティブウォーキング・プログラム」を提供し、子供さんからご年配まで多くの方に成果を出していただいています(協会・導入院実績)。

かかとの痛みのお悩みの皆さまは、放置してしまうことなく当院をお役立てください。