- 足指のつけ根(人差し指~中指/薬指)がジンジン痛い
- 足指のつけ根のタコ(胼胝)や魚の目(鶏眼)できて、痛い
- 開帳足(横アーチがない)と言われたことがある
- つま先立ちなど、そこに体重をかけて立てない
そんなあなたは開帳足、または、中足骨骨頭痛症という病気になっているかもしれません。
中足骨骨頭痛症とは
中足骨骨頭とはよく踏ん張るときに使う足指のつけ根の部分にある骨の丸く膨らみを持った部分のことをいいます(上図の赤丸部)。本来は、五つの骨の頭の部分で“横アーチ”と呼ばれる形態をとって、足裏側からみると少しく凹んでいます。しかし、ここに慢性的に過重を負わせてしまうと、その横アーチが踏みつぶされた形になって開帳足という病態になってきます。(開帳足)
やがて、その部分にある軟部組織(皮膚、皮下脂肪、筋・腱、靱帯、神経など)が慢性的な炎症を繰り返すと、マメ/タコやウオノメができたり、立っていたり、歩いたりしている時に関節がジンジン痛くなる状態にまで至ります。(中足骨骨頭痛症)
【注意】厳密には開帳足と中足骨骨頭痛症は同じ状態を言いませんが、以下の文章を理解するためには、ひとまとまりに(二つで一つとして)ご解釈ください。
中足骨骨頭痛症は身体にどんな影響
まず悩みの発端の多くは「痛み」や「痺れ」だと思います。中足骨骨頭痛症は開帳足が最も直接的な原因であるのですが、痛みの度合い(主観的な指標)と開帳足の重症度(客観的な病態)は必ずしも比例するわけではありません。開帳足重度の方でも痛みの程度は軽かったり、開帳足がそれほど進行していない場合でも痛みが強烈な方もいらっしゃいます。
中足骨骨頭痛症には以下のような特徴があります。最近は、ハイヒール履く女性だけでなく、ローファーを履く学生にも増えているようです。
・女性全般に多い
・午前中は良いが、午後になるとだんだん痛くなる
・長く歩くと痛みを感じる
・つま先立ちになると痛い
・マメ・タコやウオノメがずっとできている/削っても削ってもすぐ出来てくる
・マメやウオノメに手で触るだけでも痛い
・ハイヒールやパンプスを履くと痛くなる
・もはや体重がかかると(普通に立っているだけで)常に痛い
どの段階の方でも、日常生活に支障がでてきて辛いのですが、痛みをかばった歩き方や身体の使い方を続けていると、足にとどまらず悪影響が全身に及んでしまうこともあります。そうなってしまう前に、できるだけ早期改善することが望ましいのです。
また、「痛みなし=問題なし」ではありません。痛みがないからと放っておいて良いわけではありません。
足の横アーチが下がり、開帳足になっているということは、足の靭帯が弱くなり、骨組みをしっかり束ねられておらず、足の中はとてもグラグラしている状態です。
ラグビーで例えると、スクラムをガッチリ組めていない状態で、ちょっと相手に押し込まれただけで崩れてしまうようなものです。
骨のまとまりが悪いので力も上手く入りません。
そのため、足でしっかり踏ん張れなかったり、ふらついたりします。
つまずくことも多くなったりします。
筋肉も働きにくいため循環が悪くなって、浮腫や疲労が取れなくなります。
上体(足首から上)に無理がかかって、足首や膝、股関節もを傷めてしまうこともあります。
また、不安定な中なんとかバランスを保とうとするあまり、姿勢も偏ってしまって、反り腰、猫背や側弯、ストレートネックなど姿勢不良にもなることもあります。
上に挙げたような症状や姿勢の問題は、開帳足や中足骨骨頭痛症とは関係なさそうに見えますが、驚くことに、開帳足や中足骨骨頭痛症が改善されると同時にこれらも改善されることも多いのです。
中足骨骨頭痛症の原因
ちまたでは、ハイヒールを履くからだとか、体重オーバーのせいだとか、足の筋力が弱いからだと思われがちです。
しかし、男性やヒールを履かない若年層にも開帳足や中足骨骨頭痛症はみうけられ、履物や筋力低下だけが根本原因ではありません。
足病専門医療の先進国アメリカでは、過剰回内(オーバープロネーション)が足の万病のもと認知されております。そもそも開帳足になるのは、過剰回内だからなのです。開帳足が直近の原因でなる中足骨骨頭痛症も例外なく、それ(過剰回内)が大元で引き起こされているというのが常識になっています。
つまり、靴の是非はともかく、普段からの足の使い方や歩き方の善し悪しが、開帳足や中足骨骨頭痛症になるかどうかの決め手になっていると言っています。
過剰回内(オーバープロネーション)とは
その過剰回内とはどう言った状態のことかというと、下の図の左のように踵の骨が曲がり内くるぶしや足のアーチが地面の方(内側)に倒れている状態です。
ご自分の足を観てもよく分からなければ、膝の位置を目安に確認してみましょう。
膝頭がつま先より内側を向いていませんか?
鏡の前で観察してください。
回内状態は歩行時のショックアブソーバー(衝撃吸収機能)として大切なのです。
しかし、ズーッと回内になっていたり、極端な回内になっていたりする人がいらっしゃいます。
もともと偏平足であったり、母趾が示趾(人差指)より長かったりと、過剰回内になりやすい先天的な要因を持っている人もいますが、それよりも普段の間違った足の使い方や歩き方のほうが悪影響を及ぼしていることが多いのです。
中足骨骨頭痛症の改善方法
皆さんがいままで安静をとったり、テーピング、装具(サポーター、プロテクター)、マッサージや足の体操をしても効果がなかった理由は、もうお分かりですよね。
それらは変形の矯正や除圧など保護をする対処療法であって、過剰回内そのものを改善させるものではなかったからなのです。
一時的に症状が緩和されたりしても、日常的な身体の使い方が変わったわけでないので、生活しているうちに悪い状態に戻ってしまいます。
そうなのです。「歩き方の改善」こそ中足骨骨頭痛症の根本療法にもなるわけです。
そこで、「そうか歩き方か!」と思って、
「足指を意識して歩こう!」
「足で地面をしっかり蹴って歩こう!」
「身体を捻りながら歩幅を大きく歩こう!」
「脚や膝をしっかり伸ばして颯爽と歩こう!」
などとお考えになるかも知れません。
ところが、一般的に善しとされるこのような歩き方は、かえってPTTDを悪化させるため自己流で取り組むととても危険です。
私たちは、生体構造力学(バイオメカニクス)という信頼のおける研究から編み出された「ゆるかかと歩き(ネイティブウォーキング)」という歩行指導と整体施術を組み合わせた「ネイティブウォーキング・プログラム」を提供し、子供さんからご年配まで多くの方に成果を出していただいています(協会・導入院実績)。
中足骨骨頭痛症でお悩みの皆さま、放置してしまうことなく当院をお役立てください。