- 歩いていると中指と薬指(つけ根)の間が痛む・痺れる
- だんだん、足指にまで鋭い痛みや焼けるような痛みを感じるようになった
- 足指の間に痛みのある瘤のような塊ができている
そんなあなたはモートン病という病気になっているかもしれません。
モートン病とは
モートン病とは足指のつけ根の関節(中足趾節関節)のある部分で、足指へ向かう神経が圧迫されることで発症する神経の障害です。足指の間(指股)や足裏側に痛みの有る瘤(こぶ)のような塊(神経腫)が発生することあります。
初期では足指のつけ根に発症し、進行してくると足指や足の甲にまで鋭い痛みや焼けるような痛み(灼熱痛)、そして、痺れ(知覚障害)が現れます。
第3趾(中指)と第4趾(薬指)の間に起こることが最も多く、次に第2-3趾間に多いです。第4-5趾間にも発症することもあります。
中足骨骨頭痛症と診断が見分けづらい時もありますが、感覚障害(しびれ)の有無、有痛性の瘤の塊の有無、Mulderテストという圧迫して疼痛を誘発するテスト、ティネルサインといわれる知覚異常を誘発するテストなどを通して判別していきます。(整形外科や病院では診断テストはこの限りではありません)
モートン病は身体にどんな影響
まず悩みの発端の多くは「痛み」や「痺れ」だと思います。モートン病は開帳足と偏平足の状態に加えて、長時間の前かがみやつま先立ち姿勢での作業や、ハイヒールなどの先の狭い靴などによる神経の圧迫により発症します。
症状の程度は個人差があり、どの段階の方でも、日常生活に支障がでてきて辛いと思います。しかし、痛みをかばった歩き方や身体の使い方を続けていると、足にとどまらず悪影響が全身に及んでしまうこともあります。そうなってしまう前に、できるだけ早期改善することが望ましいのです。
また、「痛みなし=問題なし」ではありません。痛みがないからと放っておいて良いわけではありません。
足のアーチが下がり、偏平足や開帳足になっているということは、足の靭帯が弱くなり、骨組みをしっかり束ねられておらず、足の中はとてもグラグラしている状態です。
ラグビーで例えると、スクラムをガッチリ組めていない状態で、ちょっと相手に押し込まれただけで崩れてしまうようなものです。
骨のまとまりが悪いので力も上手く入りません。
そのため、足でしっかり踏ん張れなかったり、ふらついたりします。
つまずくことも多くなったりします。
筋肉も働きにくいため循環が悪くなって、浮腫や疲労が取れなくなります。
上体(足首から上)に無理がかかって、足首や膝、股関節もを傷めてしまうこともあります。
また、不安定な中なんとかバランスを保とうとするあまり、姿勢も偏ってしまって、反り腰、猫背や側弯、ストレートネックなど姿勢不良にもなることもあります。
上に挙げたような症状や姿勢の問題は、モートン病とは関係なさそうに見えますが、驚くことに、モートン病が改善されると同時にこれらも改善されることも多いのです。
モートン病の原因
ちまたでは、ハイヒール常用するからだとか、ランニングをやり過ぎたせいだとか、足の筋力が弱いからだと思われがちです。
しかし、ヒールを履かない男性や若年層の女性にもモートン病はみうけられ、履物や筋力低下だけが根本原因ではありません。
足病専門医療の先進国アメリカでは、過剰回内(オーバープロネーション)が足の万病のもと広く知られています。そもそも偏平足や開帳足になるのも、過剰回内だからなのです。過剰回内と特定の部位に物理的な圧迫があい重なって、モートン病が引き起こされているというのが常識になっているのです。
つまり、靴の是非はともかく、普段からの足の使い方や歩き方の善し悪しが、モートン病になるかどうかの決め手になっていると言っています。
過剰回内(オーバープロネーション)とは
その過剰回内とはどう言った状態のことかというと、下の図の左のように踵の骨が曲がり内くるぶしや足のアーチが地面の方(内側)に倒れている状態です。
ご自分の足を観てもよく分からなければ、膝の位置を目安に確認してみましょう。
膝頭がつま先より内側を向いていませんか?
鏡の前で観察してください。
回内状態は歩行時のショックアブソーバー(衝撃吸収機能)として大切なのです。
しかし、ズーッと回内になっていたり、極端な回内になっていたりする人がいらっしゃいます。
もともと偏平足であったり、母趾が示趾(人差指)より長かったりと、過剰回内になりやすい先天的な要因を持っている人もいますが、それよりも普段の間違った足の使い方や歩き方のほうが悪影響を及ぼしていることが多いのです。そのうえで、間違った履物の選択や偏った姿勢やスポーツなどの負担が影響している思われます。
モートン病の改善方法
皆さんがいままで安静をとったり、テーピング、装具(サポーター、プロテクター)、マッサージや足の体操をしても効果がなかった理由は、もうお分かりですよね。
それらは変形の矯正や除圧など保護をする対処療法であって、過剰回内そのものを改善させるものではなかったからなのです。
一時的に症状が緩和されたりしても、日常的な身体の使い方が変わったわけでないので、生活しているうちに悪い状態に戻ってしまいます。
そうなのです。「歩き方の改善」こそ中足骨骨頭痛症の根本療法にもなるわけです。
そこで、「そうか歩き方か!」と思って、
「足指を意識して歩こう!」
「足で地面をしっかり蹴って歩こう!」
「身体を捻りながら歩幅を大きく歩こう!」
「脚や膝をしっかり伸ばして颯爽と歩こう!」
などとお考えになるかも知れません。
ところが、一般的に善しとされるこのような歩き方は、かえってPTTDを悪化させるため自己流で取り組むととても危険です。
私たちは、生体構造力学(バイオメカニクス)という信頼のおける研究から編み出された「ゆるかかと歩き(ネイティブウォーキング)」という歩行指導と整体施術を組み合わせた「ネイティブウォーキング・プログラム」を提供し、子供さんからご年配まで多くの方に成果を出していただいています(協会・導入院実績)。
モートン病でお悩みの皆さま、放置してしまうことなく当院をお役立てください。